ADHDの大学生 試験はどう乗り切る?

発達障がい

秋学期の中間試験が始まりました。

秋学期日程が始まって1ヶ月半。中間試験が始まりましたが、試験勉強ができていないと焦る娘。焦るわりには私とのおしゃべりが止まりません。ADHD特性が発動しています。内心「電話している暇があったら試験勉強始めたらいいのに・・・」と私は思っていますが、そこは「勉強しなくて成績が悪くても困るのは娘。困っても自分で気付き乗り越えていくはず。私がいちいち言うことではない。」と俯瞰した私が私に忠告していますので、楽しそうに話している娘の話を遮ることはしません。

支援に助けられた春学期

わが家では勉強のことはお父さん。勉強以外のことはお母さん。と役割がはっきり分かれています。というのも、夫は国立大学を卒業していますが、私は高卒なので大学(勉強)のことは分かりません。そして私は成績のことより娘のメンタル状態に関心が強いので、夫が「成績表送られてきたから置いておくね。」と言っても見たことがありません。単位を落としたり、成績が悪いと娘のメンタルがダウンしてしまうので、そういった意味での成績の心配はしています。

春学期は取得できる単位数を最大にした結果、課題提出とテストに追われて、泣きの電話が毎日ありました。ADHDは先延ばし癖と時間の予測ができないことから、提出時間ぎりぎりになってから「お母さん!どうしよう!間に合わない!もう終わった…なにもかもだめだ…こんな私は生きている価値がない…」と、電話の向こうでわめきながら泣いています。いやいや、やる時間はあったよね?泣いている時間あったら今やったらいいよね?と普通は思うのですが、定型のあたりまえをつらつらと説いても通じません。それができなくて困っているのですから。

そこで登場するのが、「合理的配慮の通知」です。娘の特性に合わせた大学の支援です。その通知をメールに添付して先生に期限の延長をお願いしてみることにしました。支援の内容に提出期限の延長があるので、娘は度々その支援に助けられました。ただ、その支援の通知は前もって事務局から担当教授に配布されていますが、何百人もの学生を抱えている先生方。娘が主体となってアプローチしていかなければ支援は発動しません。娘は何度もメールをするうちにメールのスキルが爆上がりしました(笑)。夫も、すぐにでも社会人として通用するメール文だ、と太鼓判を押すほどです。

他にも私は、できる限り先生のところに行って、質問や相談をするようにアドバイスをしました。やはりメールのやり取りより、実際顔を合わせて話した方が、より気持ちも伝わりますし、娘のパーソナリティに対する理解も深まると思ったからです。

課題提出の期限延長の他にも、精神的な落ち込みにより試験を別日に受験させてもらったり、オンラインで受験をさせてもらったりと、春学期は支援を最大限活用させてもらったことで、一つも単位を落とさず、Sをもらった科目もありました。

春学期の経験を生かして秋学期は成長した一面も

春学期の教訓を生かして秋学期は単位数を減らし、余裕のある授業構成にしました。これで春学期のように毎日泣きついてくることはないだろう、と思っていました。前半までは…

秋学期がスタートした頃は課題提出もなかったのでしょう。穏やかに過ごしていて、私も平穏を取り戻していました。まだ数週間先の提出期限に対して、「少しずつやっておかなきゃ」と、前回の反省が生きているんだな、と成長を感じる発言をしていました。それも束の間…やはり提出期限が迫ると「全然手付かずで全くやっていない!もう今からじゃ間に合わない!もうダメだ…終わった…」…始まりました。安定に(苦笑)。

そこで春学期に習得した、メールを送るうえで必要な構成、文章、マナーのスキルが生かされたのでした。期限内に提出するという課題は、まだ今後の課題として残ってしまいましたが、間に合わないときの対処法を学び、身に着けました。今までは、失敗したら落ち込み、自分を責め、自暴自棄になる…というパターンでしたが、今は、困っていることを素直に相談し、助けてもらい、感謝を伝える、ということができるようになりました。ADHDの人は失敗が多いため、失敗によって責められたり、呆れられたりする経験を重ねるうち、自尊心を保つ自己防衛として、その場を取り繕う傾向にあります。そのため困っていたり、失敗を知られることを極端に嫌います。ここで、先生に相談できるようになった、というのは、大きな成長の一歩ではないでしょうか。

中間試験の結果は

そろそろ中間試験の結果が出てきたようです。結果は…「悪かった…」と、私から聞いたわけではありませんが、報告がありました。どうやら愚痴を言いたかったようです。友達は結果が良かったらしく、それに対して悔しい気持ちを聞いてもらいたかったようです。自分の不甲斐なさに落ち込んでいる様子でしたが、すぐに今後のことをお父さんに相談したいと言い、私とは電話をきり、夫に電話をしていました。

まだ秋学期は続きます。ADHD の特性として集中力が続かない、というものがあります。また衝動性がありますので、一時的に悔しさから頑張ろう!と意気込むのですが、遅延報酬障がいもあり、結果がすぐに出ないとやる気が持続せず、投げ出してしまう傾向にあります。これは本人の意思や根性では、どうすることもできません。これまでもこの一連の流れを、何度となく繰り返してきました。

しかし、少しづつでも着実に成長を感じます。行き詰ったとき、助けを求め、解決方法を考える力がつきました。相談できる環境づくりがADHDの大学生にとって、一番重要なのでは、と思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました